H30 8/23(木) おはようございます。
先日、30年産 新米 産地特選米を使用していただいている、ある外食チェーン店の女性店長さんからお電話をいただきました。
「昨日のごはんは、3釜炊いたが全部が硬く炊き上がった。 お米が悪い!」とパートさん達が言っている。
そこで、店長さん自ら炊いてみたところ。。。
今日は同じお米が非常に美味しいごはんに炊き上がったというのです。
ごはんの水加減・炊き方について、2~3アドバイスをさせていただき、様子を見ていただくことにしました。
こういうことは、残念ながらよく起こってしまいます。
そして、ごはんを炊くとは化学的・物理的には。。。
みたいな話をさせていただくと、
硬いごはんを炊いた人は、ほぼ確実に怒り出します。
硬くて艶が無く、不味くて食べると不快なゴッチンごはんを炊いてしまい、怒りの向け先が【お米が悪い=米屋が悪い】になります。
では。。。
ごはんを炊くとは?
この質問にきちんと答えられる方は、意外に少ないと思います。
【答え】
ごはんを炊くとは、
①お米(白米)に水と熱を加えて、お米の約75%のデンプンを糊化させる=βデンプンをα化させること
②13~15%の水分のお米(白米)に水と熱を加えて、炊き上がったごはんが62~63%の含水分率になっていること
要は、
ごはんが硬い・柔らかいのと文句を米屋に言う前に、
①βデンプンをα化出来ているか?
②ごはんの含水分率が炊き立てで62~63%あるか?
という2点が立証できなければ、いけません!

ごはんの水分計でチェックすることが大事です。
ごはんを炊くとは、
13~15%の水分のお米(白米)➡炊き上がったごはんが62~63%の含水分率=βデンプンをα化させて、47~49%の水分が添加されている状態です。
だから、お米1に対して水1.445~1.453倍程度の水を加えることになります。
ごはんを炊く場合に沸騰して水分ロスが発生するので、
電気釜・ガス釜、釜の大きさや熱量により違いはありますが、
【弊社使用 パロマPR‐100DF 5.5合炊き】の場合
お米1:水1.445~1.453倍
釜の重量+お米の重量+水(お米×1.445~1.453倍)
㊟1g単位できっちり計量すれば、硬い・柔らかいといった炊き損じは皆無になります。

ガス炊飯器の感熱部分は常にきれいにしておきます。
ここが汚れていると早切れ(硬い)、ごはんが焦げる原因になります。

同様に釜底凹み部分も常にきれいにしておきます。
因みに写真のガス炊飯器は20年使用しているものです。

炊飯の水加減は1g単位で正確に計量します。
目分量ではどうしてもバラつきが出てしまいます。
30年産 新米の場合
釜の重さ(762g)+お米1(676g 4.5合)+水1.445倍(977g)=2415g

30年産 新米 4.5合で水加減しましたが、4.6合くらいの目盛です。

目分量で4.5合の目盛で炊いたら、確実に硬く炊き上がります。
浸漬時間は、
夏場40分~60分
冬場60分~100分
くらいで調整して下さい!
浸漬時間が短いと、ごはんは固めに炊き上がります。
浸漬時間が2時間以上だと、水が劣化・腐敗・菌の増殖を招くうえに、べちゃっとした食感の悪いごはんになります。
【弊社使用 パロマPR‐100DF 5.5合炊き】の場合、炊飯器のスイッチが切れてから、蒸らしを13分~14分します。
炊き上がりでは、水分はまだ蒸気として釜の中の空間にある状態です。
しっかり蒸らすことで、蒸気がお米の一粒一粒に吸収されて、お米の細胞が膨らんでつやつやピカピカで粘りがある美味しいごはんになります。
㊟(最新の電気炊飯器・IH炊飯器では蒸らし時間が含まれているので、説明書の記載に従ってください!)

上記のことをきっちり守っていただければ、写真のようなごはんに炊き上がります。
ごはん炊きは、
①基本に忠実に!
②過程一つ一つをおろそかにしない!
③水加減は1g単位で正確に計量
④浸漬時間は、夏場40分~60分、冬場60分~100分で調整
⑤ガス炊飯器の感熱部分・釜底凹み部分は常にきれいにしておく
⑥ガス炊飯器のスイッチが切れてから、蒸らしを13分~14分する
ごはん炊きに関して、「私、失敗しないので。」というTVドラマの天才女性外科医のセリフが堂々と言えますよ!
ごはんの写真に使用したお米
30年産 新米あきさかり 産地特選米
(生産地)熊本県天草市河浦町
(生産者)倉田晋一・晋幸